テーマ《保育園における母子へのDV&虐待の予防とケアへの総合的取り組み》
ハープ&ヴァイオリンコンサート 摩寿意英子&赤松由夏
地域の保育園、小、中学校の先生、安全パトロール隊、保護者
1月30日(4歳児3回) 参加者37名
「お母さんのためのハッピースタディーズ」
4月19日・26日 13:00〜17:00 (土曜日2回) 参加者 延べ人数13名
(2)12月26日(月) お餅つき会の日の夕方 わらわら忘年会 参加者29名
(3)1月25日(金) お父さんのための新年会 参加者13名
(4)2月9日(土) お父さんとわいわいクッキング 参加者5名
(2)5月21日 参加者 延べ人数9名
総合的取り組みの効果について
現代のストレス社会では、家庭内における暴力、特にDVや虐待が発生しやすくなっています。子どもはその最大の被害者です。そんな中で保育園は、DVや虐待を早期発見しうる専門機関です。当保育園では、従来からその問題意識をもって保育にあたってきました。
今回は、松翁会助成金を頂くことができたおかげで、専門家や地域の民生児童委員の方々とも協力しながら、DVや虐待の予防や、早期発見・早期ケアによって、その被害を最小限に食い止め、回復を支援する総合的取り組みを実施することができました。
まず、援助者のための研修会を保育園内部、地域の支援者とともに、と何回も重ねてもつことにより、保育士の子ども支援や保護者支援への専門的スキルや態度が格段に向上しました。また、地域のみなさまとのネットワークづくりも、深化するという効果を上げることができました。
子どもへのワークショップを実施することで、子ども自身が自分のストレス状態に気づいたり、友だち関係の作り方を変えていくようサポートすることができました。その結果、子どもたちの自尊感情が高まり、自分や他者をあたたかく受けとめることができはじめるようになる、という効果がみえてきました。
保護者、特に、おかあさんたちのハッピースタディーズを実施することで、子育てに不安やストレスを感じている自分を、自覚し、それをときほぐしたり、問題解決的に考えたりする方法を体得しました。また、親同士の友好な関係をつくっていくきっかけとなりました。おかあさんのストレスが軽減し、笑顔が多くなると、子どもの関わりかたにてきめんに変化がでてきます。おかあさんを支援することによって、結果的に子どもを支援することになる、という最大の効果をあげることができました。
深刻な悩みや課題をもつ保護者には、個別なカウンセリング相談が園内にあることで、相談しやすい環境になりました。加えてハッピースタディーズなどで相談室のことが広報されたので、一段と、人に相談してよいと思える、身近な存在になるという効果をあげました。このことは、卒園後も、子どもの障がいなどをふくめた教育相談にも、つながりやすくなるという素地づくりになっていくものと予感されます。
その他にも、食事をともに楽しんだり、すばらしい講演会や音楽コンサートの機会が多く、子育て世代に、生涯学習やリラックスのヒーリングタイムを提供することができました。
このような総合的な取り組みは、保育園を拠点として、親と子を支える仕組みつくりを、地域ぐるみで実施する事業でした。
この結果、保護者と保育士の関わりが深まり、保護者同士のつながりもひろがり、
親と子の関わり方も、おだやかで愛情深いものに変わってきました。
当然、子どもたちの変化も著しく、笑顔が多くなり、ストレスが軽減され、いきいきと活動する姿が多くなりました。
こうした効果をあげることができましたことは、ひとえに、松翁会さまより、財政的な支えを頂くことが出来たおかげです。
こころより感謝してご報告させていただきます。